中宿　なかやど　花街　はなまち　江戸川柳　　

興津　要：探訪　江戸川柳　（時事通信社、1990）125

中宿　なかやど　花街　はなまち　　　遊里へ行くものが途中で寄る拠点、船宿や茶屋。

中宿へ　出家はいると　医者が出る　　　　　柳19　　僧衣をまとった和尚が、中宿に入ると、羽織を着て、脇差を差す医者に変装

中宿の前を　還俗　笑ってく　　　　　　　　　　柳21　　僧籍を離れ、俗人になると、中宿に用はない。

中宿は　貸し脇差も　持っている　　　　　　　柳20　　変装用の脇差

中宿の内儀　おどけて　脈を見せ　　　　　　　拾7　　変装したところで、内儀のふざけ

土手を行く医者は　上野か　浅草か　　　　　柳64　　吉原土手を行くのは、上野寛永寺？　浅草寺？

花の雲　鐘は　上野か　浅草か　　　　　　　　芭蕉

抹香と薬を　女郎　かぎわける　　　　　　　　　柳41　　和尚か医者か、鼻で分かる。

袈裟掛けで取って　羽織で　つかいすて　　　　柳60　　僧侶姿で入手したお布施を、羽織を着た医者の姿で遣い捨てた。