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きのこ・茸・キノコ・菌の俳句 その3

 

キノコには食用になるキノコと、毒キノコと、食べないキノコとがある。

 

キノコは昔から俳句に詠まれている。ここでは、それらの俳句を紹介しよう。

“キノコ”は、茸、きのこ、木の子とも書かれる。キノコを“くさびら”、“菌(きのこ)”、“たけ”、“木の耳”とも呼び、俳句ではこれらの単語が使われることもある。

水原秋櫻子・加藤楸邨・山本健吉:日本大歳時記 (講談社、1996) きのこ・茸

春椎茸・はるしいたけ・はるしひたけ(p.400)

春子 はるこ 

(季節:三春)

崩れ榾より 椎茸の春子を採る           森田峠

日はのぼり尽して 春子採り            神尾久美子

持山に 春子を殖やす鴉かな            猪俣千代子

松露・しょうろ(p.401)

松露掻く しょうろかく 

(季節:晩春)

 

海の凪 丘松の凪 松露かな            松根東洋城

松風や 人は月下に 松露掘る           芥川龍之介

大波の どんと打つなり 松露掻          藤後左右

雨?の砂山 香る 松露掻             新井石毛

跼まれば 消えたる風や 松露掻          草間時彦

硯にも 昼のさびしさ 松露かき          宇佐美魚目

封筒に 淡路の 松露賜はりぬ           若月瑞峰

珠と掘り 砂を払ひし 松露かな          中島きみ子

早松茸・さまつたけ(p.842)

さまつ 

(季節:晩夏)

ほととぎす 確かに峰の 早松茸          丈草

早松茸 芒の茎は よわよわし           亀陸

 

蝉茸・せみたけ(p.842)

蝉花 せみばな 冠蝉 かんぜん 

(季節:仲夏)

蝉花や 疎き山べの 青葉垣            松瀬青青

 

木耳・きくらげ(p.842)

キクラゲ 

(季節:仲夏)

木耳を とるにもあらず うち眺め         高浜虚子

木耳や 引窓明いて 厨の日            嶋田青峰

休らふや 木耳生えし 倒れ木に          増田手古奈

木耳に 谺(コダマ)遠くも 来つるかな      山口青堂

木耳や 母の遺せし 裁鋏             秋元不死男

木耳を 女人高野の 道に売る           西村公鳳

朝市に 木耳が敷く 笹濡れて           桂樟蹊子

 

梅雨茸・つゆたけ(p.843)

梅雨菌 つゆきのこ 梅雨の茸

梅雨時に生える雑多な茸。キツネタケ・ウラムラサキ・ツエタケ・サクラタケ・シメジモドキなど

 

梅雨茸を 掃きころがして 来りけり        京菫

梅雨茸の 人にも見せて 捨てらるる        後藤夜半

梅雨茸の 小さくて黄に 君の墓          田村木国

梅雨の茸 ひかりかすかに 地殻古る        西島麦南

梅雨茸や 勤辞めては 妻子飢ゆ          安住敦

梅雨茸を 踏みし不吉の にほふなり        桂樟蹊子

菩提即煩悩 梅雨の けむり茸           鷹羽狩行

梅雨茸の やたらと生え し一と処         萩原大鑑

陽の幹や 蝶伏す形に 梅雨きのこ         小林清之介

大いなる 梅雨茸もろし 仰向けに         石川道子

山中に 独りの日あり 梅雨菌           若月瑞峰

梅雨茸に 天日暈(カサ)を ひろげたり      宮下のりを

 

松茸飯・まつたけめし(p.927)

茸飯 きのこめし 

(季節:仲秋)

取敢へず 松茸飯を 焚くとせん          高浜虚子

桐買うて 松蕈飯の 馳走かな           中川反照

肩の凝り 松茸飯を 炊きつつも          宍戸富美子

 

茸狩・たけがり(p.966)

茸採り きのことり 菌狩 きのこがり 茸籠 きのこかご 茸筵 たけむしろ 

(季節:晩秋)

茸狩や あぶなき事に 夕時雨           芭蕉

茸狩や 見付ぬ先の 面白さ            素堂

茸狩や 山よりわめく 台所            許六

茸狩や 寺の印の 俄か傘             野披

さし上げて 獲物見せけり 菌狩          召波

日の下に 竹田村あり 菌狩            高浜虚子

生意気に くやしがる子や 菌狩          鈴木花蓑

茸狩の 足ごしらへや 女達            富安風生

鴉はや 唖唖といるなり 菌狩           芝不器男

茸狩や ゆんづる張って 月既に          竹下しづの女

鷲の巣の下 を行きたる 菌狩           相生垣瓜人

序の口の 糞茸日和 きのこ狩           百合山羽公

きのことり 億へ奥へと わらべ唄         加藤知世子

茸狩や 峠の奥の 遠き山             草間時彦

茸狩や たちまち作る 篠の箸           有働木母寺

茸狩の 競ふ心に なりをりぬ           上野泰

瀬戸うちの 帆が見ゆるなり きのこ狩       及川貞

茸狩の きのふの山の 高きかな          滝沢伊代次

茸狩の いでたち早も 露に濡れ          小原菁菁子

くらやみ帰る 女まじへし しめぢ狩        赤尾兜子

きのこ狩を はりて昼の ここちあり        岡井省二  

 

茸・きのこ(p.1179)

茸飯 きのこめし くさびら 茸山 たけやま 茸番 きのこばん 茸売 きのこうり

茸:笠なきもの、岩茸・革茸(カウタケ)・木くらげ

菌:笠のあるもの、松菌・〆地・椎茸

 

面白く 湿をふくめる 菌哉            湖春

茸狩や 鼻のさきなる 歌がるた          其角

  宇治行

君見よや 拾遺の茸の 露五本           蕪村

  はせを庵にて

白露の百歩に 茸を拾ひけり            几菫

打枝に 毒ある菌 さくき哉            白雄

唐櫃(カラヒツ)の 北山戻る きのこかな     召波

さびしさや 菌のかさの 窪たまり         道彦

霧雨や 白き木子の 名は知らず          乙二

海見ゆに 芝に坐とるや 焼菌           一茶 (焼け跡に出る茸が既に知られていた!?)

 

猫舌もくふ あつ物や ねずみたけ         季吟

心憎き 茸山越ゆる 旅路かな           蕪村

鶏の 掻き出したる 菌かな            一茶

菌汁 大きな菌 浮きにけり            村上鬼城

茸の跡 朽葉静かに 沈みけり           岩城躑躅

茸やく 松葉くゆらせ山 日和           杉田久女

茸山に 見えてとまれる 汽車のあり        吉岡禅寺洞

道かはす 人の背籠や 茸にほふ          水原秋櫻子

茸山の 白犬下り来るに逢ふ            山口誓子

茸売の ことわられたる手の 茸          中村汀女

茸山の 深き落葉に 藁草履            松本たかし

妻の座は 臀の座なり 茸山            平畑静塔

人のこえ 雲と下りくる 菌山           石原舟月

茸山の 茸の孤独に 囲まるる           三谷昭

茸山の 浅き山にて 満ち足れり          山口波津女

今しがた聞きし 茸の名は忘れ           上村占魚

茸 にほへば つつましき故郷あり         飯田龍太

もろもろの茸の 怒り泛く 山中          飯島晴子

誰も来ぬ 日の山中に 茸あそぶ          青柳志解樹

爛爛と 昼の星見え 菌生え            高浜虚子

松茸・まつたけ

マツタケ

松茸や 知らぬ木の葉の へばりつく        芭蕉

松茸や 人にとらるる 鼻の先           去来

松茸や 都に近き 山の形             惟然

松茸の 山かきわくる 匂ひかな          文考

まつだけの 灰やき寒し 小のの奥         暁台

松茸に また裏白を 見る日かな          籾山梓月

鉄漿つけし 松茸売は なつかしき         富安風生

松茸の 相寄る傘に 山雨急            秋元不死男

松茸の 今日が底値と すすめられ         稲畑汀子

 

湿地茸・しめじ・しめぢ(p.1180)

占地 しめじ

麄朶を負ひ しめぢの籠を くくり下げ       高浜虚子

指し示す しめじの列の 一つらに         松藤夏山

塗盆に 千本しめぢ にぎはしや          島田的浦

妻がもたらす 湿地茸ひと皿 哀しけれ       楠本憲吉

しめぢなます 吾が晩年の 見えてをり       草間時彦

うかうかと 千本しめぢ 生えすぎし        後藤比奈夫

 

初茸・はつたけ(p.1181)

ハツタケ

初茸や まだ日数へぬ 秋の露           芭蕉

初茸に 紛るる庵や 松の中            支考

初茸の 無疵に出るや 袂から           一茶

初茸を 山浅く狩りて 戻りけり          高浜虚子

初茸や 秋すさまじき 浅茅原           籾山梓月

初茸は われを待つことなく ほうけ        山口青邨

月光に濡れて 初茸 ひらきだす          野村東央留

 

栗茸・くりたけ

栗もたし

庭山の 小谷もありて 栗茸            松本たかし

栗茸の 朽葉の匂ひ あはれまる          千代田葛彦

 

椎茸・しいたけ・しひたけ

椎茸干す 茸干す 干茸 ほしたけ

干茸に 時雨れぬ日とて なかりけり        松本たかし

坊の子の 鶏と遊べる 干菌            米澤吾亦紅

鮮しき 椎茸に歯を 養ひぬ            川崎展宏

椎茸の子を 青竹が かばひをり          田中鬼骨

重き闇 椎茸は夜 太りいむ            草村素子

舞茸・まいたけ・まひたけ

黒舞茸 くろまい 白舞茸 しろまい

舞茸を ひっぱり出せば 籠は空ら         田中みづほ

舞茸の 舞はねば消ゆる 月の前          石寒太

 

岩茸・いわたけ・いはたけ

高嶺岩茸 たかねいわたけ 岩茸採り いわたけとり

地衣類。三杯酢、和え物、てんぷらが美味。

 

岩茸とる 滴りしげき 命綱            加藤知世子

岩茸をはがす 巌にしがみつき           滝沢伊代次

岩茸を 鉱泉宿の 土間に売る           皆川盤水

 

楢茸・ならたけ

ナラタケ はりがね茸

 

桜茸・さくらたけ

サクラタケ

松の香は 花とふくなり さくら茸         其角

帰りつくころ 色失せむ 桜茸           朝倉和江

 

初滑子・はつなめこ

初滑茸 はつなめたけ

 

毒茸・どくたけ

どくきのこ 汗茸 笑い茸 しびれ茸 苦栗茸

 

ころころと ころがる杣や 茸の毒         飯田蛇笏

食へぬ茸 光り 獣の道せまし           西東三鬼

毒きのこ 悩むを杖で 打ちにけり         秋元不死男

自らの毒に 斃れし 茸ならむ           相生垣瓜人

踏みつけて 弾力ありし 毒茸           右城暮石

ここ超えし 翁のこえの 笑ひ茸          森澄雄

崩れつつ 毒茸 色をつくしけり          三島隆英

 

天狗茸・てんぐたけ(p.1182)

蝿取茸 はえとりたけ 紅天狗茸 玉子天狗茸

 

月夜茸・つきよたけ(p.1182)

ツキヨタケ

狼の おくる山路や 月夜茸            中勘助

月夜茸 持てば女の 身は細り           加藤楸邨

月夜茸 光らねば雲 魔のごとし          加藤知世子

戸を開けて 音の出てゆく 月夜茸         桂信子

月夜茸 今宵はねむる 瀞の雨           堀口星眠

 

 

紅茸・べにたけ(p.1183)

ベニタケ

紅茸や 美しきものと 見て過る          几菫

紅茸を怖れて われを怖れずや           西東三鬼

疲れいて 雨の紅茸 傘で刺す           加藤楸邨

紅茸や 人と別れし 眼裏に            加藤知世子

星影や 紅茸を 踏み消したれば          永田耕衣

紅茸の くづれ易きを 山曇る           桜井博通

 

 

猿の腰掛・さるのこしかけ(p.1183)

胡孫眼 こそんがん 猿茸 ましらたけ

こしかけて 山びこのいし 猿茸          飯田蛇笏

猿の腰掛 羽黒の宿の 大部屋に          皆川盤水

日は 山をはなれて遊ぶ 猿茸           古館曹人

妻籠宿 さるのこしかけ 並べ売る         滝沢伊代次

 

茯苓・ぶくりょう・ぶくりゃう(p.1183)

白茯苓 赤茯苓

茯苓は伏し隠れ 松露は露れぬ           蕪村

茯苓の 白うなる夜か 松に月           其桂

 

川苔・かわのり・かはのり(p.1183)

川海苔 かわのり

冨士のりや 雲行客の 坊料理           黄吻

川海苔を採る 女童の髪たれて           内山亜川

 

栃木県矢板市辺りでも、川海苔を採る人がいた。

 

雪割茸・ゆきわりたけ(p.1512)

雪茸 ゆきたけ 雪下茸 ゆきのした 雪の下 ゆきやり 

(季節:初冬)

雪割茸 男の大き 手を濡らす           殿村菟絲子 (エノキタケか?)

 

榎茸・えのきだけ(p.1512)

エノキタケ 

(季節:初冬)

朽木と なおぼしめされそ 榎茸          嵐雪

 

 

滑子・なめこ(p.1512)

なめたけ 滑子汁 なめこじる 

(季節:三冬)

霧さむき月山 なめこ 食ひ惜しむ         加藤楸邨

なめこ掻 林中の声 四重唱            殿村菟絲子

昏きより なめこを掴む 女の手          野澤節子

白樺の雫 あはれに なめこ売           桂樟蹊子

塗椀に 湯気あそぶなり なめこ汁         飴山実

海近き 地の曙よ なめこ汁            大井雅人

国ことば添へて なめこの売られけり        内海弘喜

飛騨越えの 熊除け鈴や 滑子採り         若島風久

 

寒茸・かんたけ(p.1512)

カンタケ (平茸に似る)

(季節:三冬)

 

 

きのこの俳句・川柳をGoogle サイト内検索してみましょう。

http://haikusenryu.yomibitoshirazu.com/

 

 

 

キノコについて、Googleサイト内検索をしてみましょう。

http://www1.ocn.ne.jp/~amiyacon/

http://amiyacon.web.fc2.com/

 

 

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