うみねこウミネコ海猫　（鳥）　俳句・川柳　

北海道・東北　ふるさと大歳時記（角川書店、平成4年）

うみねこ　海猫　ごめ　（鳥　カモメ科）（３首目以降は、海猫を“ごめ”と読む。）

うみねこの卵が青し　海　暗し　　　　　　　　　　　山田みづえ　　　蕪島

海猫へ　一望　海が明けにけり　　　　　　　　　　　中村菊一郎　　　気仙沼

島の海猫　海霧（ジリ）　濃き夜は　声立てず　　　　阿部信子　　　　蕪島

みな　沖を向いてゐるなり　渚　海猫　　　　　　　　井本農一　　　　蕪島

啄木に　「一族墓地」あり　海猫　啼いて　　　　　　北野民夫

産卵終へし　海猫たつ　海の風の向き　　　　　　　　久保田月鈴子　　八戸

海猫の群　まとへる　船のすれ違ふ　　　　　　　　　土屋巴浪　　　　飛島

海猫の声　祭の島をつつみたり　　　　　　　　　　　滝沢伊代次　　　蕪島

はぐれ　海猫　夏の　蓬を焚く　煙　　　　　　　　　新井徳子　　　　浄土ヶ浜

抱卵の　海猫　島に満ち　聖母月　　　　　　　　　　大江良松　　　　飛島

抱卵の　海猫のうしろに　見張り　海猫　　　　　　　沖田衛樹　　　　八戸

どの海猫の雛とは知れず　一羽　死す　　　　　　　　里川水章　　　　蕪島

蹼（ミズカキ）を張って　海猫の子　地を歩む　　　　瀬知和子　　　　蕪島

海猫の雛　赤き口中　見せて鳴く　　　　　　　　　　広瀬一朗　　　　蕪島

燈台の岬に　海猫　群れ　虹の立つ　　　　　　　　　堀籠季風　　　　石巻

水原秋櫻子・加藤楸邨・山本健吉：日本大歳時記（講談社、1996）

主なウミネコの繁殖地は、青森県・蕪島、岩手県・椿島、山形県・飛島、島根県・経島である。

海を見る　ひとりの　午后を　ごめ渡る　　　　　　　きくちつねこ

海猫渡る日の　夕焼を見てゐたり　　　　　　　　　　小山たけし

奥田白虎編：川柳歳時記（創元社、昭和58年）

灯台をたより　海ねこ　里がえり　　　　　　　　　　　丹波三千子

海ねこの　鳴く思い出を　たたむ旅　　　　　　　　　　金川朋視子

海寝たか　海猫寝たか　佐渡は雪　　　　　　　　　　　久賀千之　俳句2011.5　p272

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