目　眼　瞳　め　俳句・川柳　　

目　眼　瞳　め

夏石番矢：現代俳句キーワード辞典　（立風書房、1990)

つぶらなる　汝が　眼　吻はなん　露の秋　　　　　　飯田蛇笏　　　　吻う＝すう

目　水晶　入学の子の　あはれかな　　　　　　　　　川端茅舎

枯葦を　瞳につめこんで　たちもどる　　　　　　　　富沢赤黄男　　　瞳＝め　葦＝あし　詰め込む　立ち戻る

父に似し　乞食の眼ぞ　曼珠沙華　　　　　　　　　　川端茅舎　　　　乞食＝こつじき

墓標の前　みなうしろむき　その背の眼　　　　　　　高柳重信　　　　皆後ろ向き

暗闇の　眼玉　濡らさず泳ぐなり　　　　　　　　　　鈴木六林男

恋猫の　脱糞の　瞳の古色かな　　　　　　　　　　　永田耕衣

神の瞳とわが瞳　あそべる　鹿の子かな　　　　　　　原　石鼎

渡り鳥　目二つ　飛んで　おびただし　　　　　　　　三橋敏雄　　　　夥しい＝おびただしい

道化師の　眼のなかの眼が　瞬ける　　　　　　　　　渡辺白泉　　　　瞬く＝またたく

しんかんと　汝が瞳　かげれり　鳰の声　　　　　　　渡辺白泉　　　　鳰＝にお＝かいつぶり

豚の目に　あをあきかぜをみし　日かな　　　　　　　今坂柳二　　　　青秋風を見し

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