闇　やみ　俳句・川柳　　

闇　やみ

夏石番矢：現代俳句キーワード辞典　（立風書房、1990)

蚯蚓鳴く　六波羅密寺　しんのやみ　　　　　　　　　川端茅舎　　　　みみず　ろくはらみつじ　真の闇

ほたるかご　まくらべにして　しんのやみ　　　　　　飯田蛇笏　　　　螢籠　枕辺　真の闇

夢さめて　おどろく闇や　秋の暮　　　　　　　　　　水原秋櫻子

灯を捧ぐ　あはれ赦せと　雪降る闇に　　　　　　　　高柳重信　　　　あわれ

狐火や　濡るるがごとき　しんの闇　　　　　　　　　富安風生

花火待つ　花火の闇に　脚　突き挿し　　　　　　　　三橋鷹女

山国の闇　恐ろしき　追儺かな　　　　　　　　　　　原　石鼎　　　　追儺＝ついな

餅焼くや　ちちははの闇　そこにあり　　　　　　　　森　澄雄　　　　父母

或る闇は　蟲の形をして　哭けり　　　　　　　　　　河原枇杷男　　　蟲＝虫　哭＝なく

旧景が　闇を脱ぎゆく　大旦　　　　　　　　　　　　中村草田男　　　旧景＝きゅうけい　大旦＝おおあした

紐あそぶ闇　おそろしき　春の家　　　　　　　　　　佐藤三保子

闇ふかく　兵どどと著き　どどとつく　　　　　　　　片山桃史　　　　著く＝つく

螢高し　筑紫次郎は　闇にひそみ　　　　　　　　　　川端茅舎

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