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きのこ・茸・キノコ・菌の俳句 その2

 

キノコには食用になるキノコと、毒キノコと、食べないキノコとがある。

 

キノコは昔から俳句に詠まれている。ここでは、それらの俳句を紹介しよう。

“キノコ”は、茸、きのこ、木の子とも書かれる。キノコを“くさびら”、“菌(きのこ)”、“たけ”、“木の耳”とも呼び、俳句ではこれらの単語が使われることもある。

ここでは、富安風生:俳句歳時記 秋と加藤楸邨ら:季寄せ草木花 秋下、虚子編:改訂新歳時記から茸の俳句を引用する。

富安風生:俳句歳時記 秋、(平凡社、2000

茸狩・たけがり・茸とり・きのことり・菌狩・きのこがり

茸莚・たけむしろ・茸籠・たけかご 

女中の茸狩をみて

茸狩や 鼻のさきなる 哥かるた          其角

  几董と鳴滝に遊ぶ

茸狩や 頭を挙れば 峰の月            蕪村

茸狩るや ゆんづる張って 月既に         竹下しづの女

鴉はや 啞啞といるなり 菌狩(キノコガリ)    芝不器男

茸狩の 身支度できし 妻に客           松原胡愁

茸狩が 樅巣箱を のぞきをり           高崎燕覆子

茸・きのこ

菌 きのこ しいたけ 月夜茸 天狗茸 紅天狗茸 紅茸 汗茸

紅茸ハ 木の子の中の 赤子哉           信徳

松の香は 花とふく也 さくら茸          其角

茸山の 少し曇れば 物淋し            高浜虚子

爛爛と 昼の菱見え 菌生え            高浜虚子

洛中の 汽笛聞こゆる 菌山            高浜虚子

茸山に 登れば見ゆる 近江かな          咲寿一

茸山や あらぬ処に 京の見ゆ           安田木母

峰つづき 茸ありさうな 林かな          安斎桜硯子

菌生ふ 柱に杣(ソマ)が 時計かな        籾山柑子

赤埴に 茸山の径 十文字             前田普羅

くだかれし 白き菌の おそろしき         前田普羅

茸籠や 木札の宛名 やごとなき          相島虚吼

舞茸を ひっぱり出せば 籠は空ら         中田みづほ

茸の名 長し木の名と 少し似て          佐藤念腹

茸山を 出で来し人等 稲架ぞひに         高浜年尾

菌山 天の直下に 飯を食ふ            山口誓子

紅茸を怖れて われを怖れずや           西東三鬼

月夜茸 光らねば雲 魔のごとし          加藤知世子

その森の呪符めく 茸は踏みてくる         原子公平

風とともに 北口よりの きのこ売         きくちつねこ

貂(テン)啼いて 雨に崩るる 月夜茸       小林黒石礁

月夜茸 育つ霧かも 夜はふかき          小林黒石礁

月夜茸 燃えては霧に 虫減りぬ          小林黒石礁

貂達に 夜夜燃ゆるなり 月夜茸          小林黒石礁

蛾の翅の 朝はしずかに 月夜茸          小林黒石礁

茸山の 微雨さざめきて 没る日かな        新井反哺

茸山に 足もと冷えて 笑ひあふ          幸福文子

茸山に なれつつすべる 草履かな         亮木滄浪

茸籠を 提げたるままに 拝観す          福村青纓

茸山の 頂きまでも 湖の冷え           尾崎純雄  

 

松茸・まつたけ

マツタケ

座敷寺 松茸 見付たるうれし           信徳

まつ茸や 知らぬ木の葉の へばりつく       芭蕉

松たけも にほひつくすか 九月尽         泥足

松茸や 笠にたつたる 松の針           浪化

松茸の香りも 人によりてこそ           高浜虚子

土の香や 松茸山の 通り雨            高浜虚子

垣外の 松茸山も 寺領かな            高浜虚子

松茸の 皆移り香や 椀茶碗            木蝴蝶

松茸や 赤い松葉が 歯朶の中           滝井孝作

松茸の湿り香 祖母は茶の襟せし          野沢節子

荷札にも 松茸の香の 沁みし籠          新城杏所

 

湿地茸・しめじ・しめぢ

占地 しめじ 本占地

におい松茸味しめじ

 

椎茸・しいたけ・しひたけ

椎茸干す 茸干す 干茸 ほしたけ

坊の子の 鶏と遊べる 干菌(ホシキノコ)     米澤吾亦紅

神領の 山家暮しの 茸干し            清崎敏郎

椎茸の ぐいと曲がれる 太き茎          林徹

重き闇 椎茸は夜 太りいむ            草村素子

 

初茸・はつたけ

ハツタケ

はつ茸や 妹にくハせん 草結び          才麿

初茸や まだ日数へぬ 秋の露           芭蕉

初茸や 若き松より 日のもるる          奥寺田守

 

岩茸・いわたけ・いはたけ

高嶺岩茸 たかねいわたけ 岩茸採り

実は岩茸はキノコの仲間ではない。地衣類だ。乾燥したものを土産物店で売っていることがある。

 

毒茸・どくたけ

どくきのこ 汗茸 笑茸 痺茸 苦栗茸

毒茸を 打てばけむりの 上がりけり       磯貝ふみな

 

煙がでる茸は、タヌキノチャブクロ、ノウタケ、オニフスベなどであろう。これらの幼菌は食用になるようだ。

加藤楸邨ら:季寄せ 草木花 秋下、(朝日新聞社、S54)

茸 きのこ 紅茸 鼠茸 黄蕈 きいぐち 平茸 栗茸

ベニタケ ネズミタケ キイグチ ヒラタケ クリタケ

 

爛々と 昼の星見え 菌生える           高浜虚子

茸狩るや ゆんづる張って 月既に         竹下しづの女

茸山の 頂上に水 置かれたり           右城墓石

紅茸の影 児孫たる 我も影            永田耕衣

鼠茸と 聞いて月夜と なりゆけり         森澄雄

馬の沓 もちおこしたる 黄蕈かな         探志

庭山の 小谷もありて 栗茸(モタシ)       松本たかし

茸狩や 鼻のさきなる 哥かるた          其角

 

椎茸・しいたけ・しひたけ

シイタケ

椎茸も 作りてくらし ほどほどに         高浜虚子

椎茸が 生えてくるなり 丸木橋          滝沢伊代次

重き闇 椎茸は夜 太りいむ            草村素子

ふっくらと 初椎茸の傘 重し           東田綾子

 

松茸・まつたけ

マツタケ

松茸や 知らぬ木の葉の へばりつく        芭蕉

松茸や 香泥ちりて 膝の上            村上鬼城

松茸や 赤い松葉が 歯朶の中           滝井孝作

 

湿地・しめじ・しめぢ・占地茸・しめじたけ・千本しめじ

シメジ センボンシメジ

杣がさす 鋭鎌の先の しめぢかな         皿井旭川

奥秩父の 朽葉の匂ひ しめぢ茸          原田しずえ

塗盆に 千本しめぢ にぎはしや          島田的浦

しめぢなます 吾が晩年の 見えてをり       草間時彦

しめぢ裂く 指先に目が あるごとく        加藤楸邨

 

舞茸・まいたけ・まひたけ

マイタケ

舞茸を ひっぱり出せば 籠は空ら         中田みづほ

朝市の 掌をもみていぬ 舞茸に          長谷川かな女

生きている舞茸 提げて来たりけり         加藤知世子

舞茸を 喰えば水音 とどろけり          山下淳

奥山の舞茸 膝に 上京す             田中愛子

 

毒茸・どくたけ

ドクタケ どくきのこ

毒茸や 美しきものと 見て過ぎる         几菫

自らの毒に 斃れし 茸ならむ           相生垣瓜人

食へぬ茸 光り 獣の道せまし           西東三鬼 (ツキヨタケ?)

毒茸の ふはふはと浮き 帰り路          久保田月鈴子

虚子編:改訂新歳時記、(三省堂、昭和9年)

菌 きのこ

茸 たけ 羊肚菜 いぐち 毒茸 茸山 茸番 茸飯

心憎き 茸山 越ゆる旅路かな           蕪村

紅茸に 山口しるき 芝生かな           白雄

鶏の 掻き出したる 菌かな            一茶 (突いて地中から掘り出したのか?)

院の庭へ 出て獲物なし 菌山           花蓑

菌汁 大きな菌 浮きにけり            鬼城

茸山の 蠅張沿の 徑かな             桐一

盃を受けつつ 茸を焼きにけり           北人

再びの うすき夕日や 菌山            呑界

出あひたる 童のかごの 菌かな          春象

手づくりの箸 みじかさよ 菌山          よりえ

茸山へ 留守の戸たてて 案内かな         月人

茸番の 古新聞を 讀みをれり           喜美子

茸山や 少年の日の みちはあり          櫻人

茸山へ 案内の草履 つつかけぬ          三春

午前とも おぼしき日ざし 菌焼く         

舞茸を ひっぱり出せば 籠は空ら         みづほ (大きい株が採れるもんな)

茸売の ことわられたる手に 茸          汀女

麓 川光て近し 茸山               虚子

頂上に 大きな旗や 菌山             虚子

茸山の 蓆の客と なりにけり           虚子

 

初茸 はつだけ

ハツタケ

初茸や 裾長人の 山歩き             水子 (藪に入るので、長袖を着よう)

 

湿地 しめぢ

シメジ

塗盆に 千本しめぢ にぎはしや          的浦

 

松茸 まつたけ

マツタケ

まつ茸や しらぬ木の葉の へばりつく       芭蕉

松茸や 人にとらるる 鼻の先           去来

松茸の 山かきわくる 匂ひかな          支考

松茸や 都に近き 山の形             惟然

松茸や つめ草多き 籠の中            清女

 

椎茸 しひたけ

シイタケ

椎茸の 菰あくるたびに たのしけれ        松葉女

 

茸狩 たけがり

茸とり たけとり

  女中の茸狩を見て

茸狩や 鼻の先なる 歌がるた           其角

茸狩や 頭を挙げれば 峰の月           蕪村

白露の 百歩に 茸を拾ひけり           几菫

茸狩の 見ごしらへや 女達            風生 (着飾って行くのか?)

茸籠を かかげ渡るや 歯朶の谷          壺秋 (シダの上に茸を乗せるのが、確かに多い)

茸狩や ゆんづる張って 月既に          しづの女

斯くなれば 濡るる外なし 菌狩          夏山

盗なるかな 茸狩に来て 薯を掘る         虚子

城山に遊ぶ子 茸を狩りてあり           虚子 (子供の遊びは常に変る)

 

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http://haikusenryu.yomibitoshirazu.com/

 

 

 

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http://www1.ocn.ne.jp/~amiyacon/

http://amiyacon.web.fc2.com/

 

 

 

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