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鷹羽：俳句入学 （ＮＨＫ出版、2002）148
原句 宇宙船 落ちて 初夢 覚めにけり
添削例 初夢の宇宙船より落ちて 覚め
原句 三つめは 香をたのしみて 蓬餅 蓬餅＝よもぎもち
添削句 二つめは 香り たのしみ 蓬餅
原句 色褪せし箱より 雛 目覚めけり 褪せる＝あせる 雛＝ひいな
添削例 色褪せし箱のなかより 雛を出す 雛＝ひな
原句 冬帽子 置いて 外出の 落ち着かず
添削例 冬帽子 忘れ いちにち 落着かず
原句 身のうちに捨つるものなし 枯野ゆく
添削例 身のうちに捨つるものあり 枯野ゆく
原句 神鶏の威を借りてをり 羽抜鶏
添削例 神鶏の威をそこなはず 羽抜鶏
原句 バスを待つ人も 花野の花として
添削例 バスを待つ人も 花野の花となり
原句 道草の子がまた通る 花野みち
添削例 道草の子が またひとり 花野みち
原句 黒潮の沖に日の脚 卒業す 脚＝あし
添削例 黒潮の沖へ日の束 卒業す
鷹羽：俳句入学 （ＮＨＫ出版、2002）150
原句 若鮎の光となりて 上りけり 若鮎＝わかあゆ
添削例 若鮎の 光の束となり のぼる
原句 大寒や 生ける証に 病むことも 証＝あかし
添削例 大寒や 生ける証に 人は病み
原句 張りつめて 朝顔の紺 咲きにけり
添削例 紺を張りつめて 朝顔 咲きにけり
原句 晩学の吾を励まし 亀の鳴く
添削例 晩学の吾を励まし 鳴く亀か
原句 日向ぼこ 忘れ上手に なりにけり
添削例 日向ぼこ 忘れ上手に なり給ふ
原句 果てしなき空 かぶさってゐる 枯野
添削例 どこまでも 空 かぶさってくる 枯野
原句 除夜の闇 深めて 星を近うせり
添削例 除夜の闇 いよいよ 星を近うせり
原句 花よりも 白き指して 菊人形
添削例 花よりも 指の白き 菊人形 指＝および
原句 灯籠の ためらひしあと 流れ出す
添削例 灯籠の ためらひゐしが 流れ出す
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