花の歳時記蕪　かぶ　蕪蒸　野菜花図鑑　

蕪は、大根より早く煮え、煮崩れしやすい。春の七草では、“鈴菜　すずな”。

1月13日　蕪　かぶ　カブ　（アブラナ科）

花の歳時記三六五日（毎日新聞社、1996）　　

大鍋に　煮くづれ　甘き　かぶらかな　　　　　　　河東碧梧桐

瞳は　牛を　いつくしみつつ　蕪洗ふ　　　　　　　酒井鱒吉

復本：俳句の魚菜図鑑　（柏書房、2006）276

ふゆ河や　誰　引すてて　赤蕪　　　　　　　　　　蕪村　　　　　　誰＝たが　蕪＝かぶら

おく霜の　一味　付し　蕪かな　　　　　　　　　　一茶　　　　　　付し＝つけし

蕪　肥えたり　蕪村　生れし村の土　　　　　　　　正岡子規　

大鍋に煮くづれ　甘き　かぶらかな　　　　　　　　河東碧梧桐

太陽に黒点出来し　蕪かな　　　　　　　　　　　　原石鼎

蕪　まろく煮て　透きとほるばかりなり　　　　　　水原秋桜子

赤蕪を一つ逸らしぬ　水　迅く　　　　　　　　　　山口青邨　　　　逸らす＝そらす　迅く＝はやく

牛のための　赤蕪　育つ　せつに赤く　　　　　　　大野林火

緋かぶらを　さげて　伊賀より来たりける　　　　　細見綾子

五合目に雪来て　緋蕪　洗ひをり　　　　　　　　　福田甲子雄

復本：俳句の魚菜図鑑　（柏書房、2006）277

無事は是　貴人と言へり　蕪蒸　　　　　　　　　　森澄雄

いつのまに曇りし空や　かぶらむし　　　　　　　　草間時彦

猫舌のやうやく箸を　かぶら蒸　　　　　　　　　　及川貞

身ひとつに生きゆくばかり　蕪蒸　　　　　　　　　角川春樹

かぶ　蕪　食歳時記　　　　

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