運動　俳句川柳　　　

運動　動く

近藤勝重：健康川柳　一日一句　医者いらず（幻冬社、2008）

おじいちゃん　かけ声だけが　腹筋し　　　　　　　あといっぽ

続けよう　三日坊主を　何度でも　　　　　　　　　　大鹿新次

おにぎりが　こんなに旨い　ハイキング　　　　　　西川文子

山歩き　足も笑うが　気も笑う　　　　　　　　　　森下貴之

長生きの秘訣　聞くかよ　同い年　　　　　　　　　小川隆

フィットネス　身体　跳ねずに　肉　跳ねる　　　　ユイピー

深呼吸　きのうの憂さを　入れ替える　　　　　　　前川昭

痒い背に　老母の手荒れ　心地よい　　　　　　　津川トシノ

ウオーキング　出合わぬ人の　身を案じ　　　　　古田稔

寝ころんで体操すると　寝てしまう　　　　　　　　鯉口

補聴器を外して　妻の吠える声　　　　　　　　　　きよつぐ

朝刊を　まだかまだかと　待つ歳に　　　　　　　　コルボ

死にたいと　口癖なのに　医者通い　　　　　　　橋本ミヤ子

一駅を　電車　横目に　歩いてる　　　　　　　　　莵原満

ストレッチ　忍耐いるが　金いらぬ　　　　　　　　高須希世

疲れたな　でも　あの丘を越えてきた　　　　　　　中川次郎

また出会い　ときめき芽生え　日々　歩く　　　　西脇久

健康は　健康な時　気付かない　　　　　　　　　南絹子

歩かんと　太っとらんと　歩かんと　　　　　　　田村洋三

今日この日　自己最長寿記録です　　　　　　　　徳留節

長生きの血筋　信じて　ケセラセラ　　　　　　　　川崎賢治

腰にきた　小銭　拾えず　崩れ落ち　　　　　　　　藤本和男

万歩には足らぬと　おやじ　傘さして　　　　　　　久保進

顔体操してるところを　見られてた　　　　　　　　松村延子

ここにもか　ゲートボールに　王子様　　　　　　　松本利博

朝顔に　今朝も声かけ　ウオーキング　　　　　　中村立身

孫とジイ　自慢比べの　夏休み　　　　　　　　　　岡本祥子

死ぬまでに　何億回も　息できる　　　　　　　　　徳留節

黄信号　もう走らない　六十五　　　　　　　　　　前田耕一

運動で　適度と言えば　孫の守　　　　　　　　　田中義人

日々　局へ　川柳　出しに　徒歩千歩　　　　半人半児

妻を目に　人混み進む　右左　　　　　　　　　　井川公五

三歩前　歩いた　わしが　今　後ろ　　　　　　　岡宏明

階段を利用したいと　足が言う　　　　　　　　　三木博之

電車なか　席を譲られ　えっ　私　　　　　　　　増石民子

歩いたら　昨夜の喧嘩　忘れ去り　　　　　　　和泉雄幸

愚痴を聞き　孫を褒めれば　帰る　友　　　　吉川建子

生きている証に　賀状　出しておく　　　　　　坂裕之

腕立ては　孫に乗られて　伏せたまま　　　　三宅一歩

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