花見　はなみ　花街　はなまち　江戸川柳　　

興津　要：探訪　江戸川柳　（時事通信社、1990）154

花見　はなみ　花街　はなまち　　　

一国は入相からの　桜なり　　　　　　　　柳44　　　春の吉原の夜は、華麗な花見風景

年々歳々　客を呼ぶために　植え　　　　　柳62　　　江戸中期から、毎年３月に、仲の町通りに数十本の桜を植えた

花の山より　おもしろい　花の里　　　　　筥4　　　花の山より、花の吉原の方が面白い

桜から桜へ誘う　大一座　　　　　　　　　明3・梅　花見の一行が吉原にくり込み

桜には　山吹の散る　名所なり　　　　　　柳36　　山吹（黄色）をまき散らした

女房の知らぬ桜が咲きにけり　　　　　　　ケイ18　吉原の花見の妙を、女房は知らない

里馴れて来ると　桜は　ひんぬかれ　　　　柳107　　花が散った木は抜き、

花までも　盛りがすむと　置かぬ所　　　　柳7　　翌年、また植えた

葉桜は　すて物にする仲の　町　　　　　　柳31　　盛りを過ぎた年増の末路の如し