ビール　俳句・川柳　酒　

ビール（酒　さけ）

奥田白虎編：新版川柳歳時記（創元社、昭和58年）

二人行く　ビヤガーデンの　灯と月と　　　　　　　三宅都美子

湯上りの　妻を待ってる　生ビール　　　　　　　　岩田峰鈴

よくやった　喉へ　ビールが音をたて　　　　　　　岩坪史憲

青い風のざわめき　星降る　大ジョッキ　　　　　　明石フミ子

髭に泡　たたかい済んだ　生ビール　　　　　　　　久保定雄

玄海を　わが庭にして　缶ビール　　　　　　　　　北島醇酔

恋も知り　ビールも知って　適齢期　　　　　　　　丸山さつき

ためらいもなく　ハイミスの　中ジョッキ　　　　　藤田千代子

缶ビール　空の青さも　ともに飲み　　　　　　　　園田逢春

大ジョッキ　泡にロマンの　夢がある　　　　　　　上田佳風

言論の自由へ　うまい　生ビール　　　　　　　　　福本しのぶ

栄転は　恰度　ビールのうまい頃　　　　　　　　　笹室宵六

小ジョッキ　父よ　あなたは弱かった　　　　　　　中田たつお

大ジョッキ　男同士の　気が揃い　　　　　　　　　豊田豊柳

乾杯の　ビール　左遷のほろ苦さ　　　　　　　　　村田守次

生ビール　満足そうな　　喉ぼとけ　　　　　　　　奥田白虎

ビール　麦酒　黒ビール　生ビール　ビアホール　ビアガーデン　缶ビール（酒　さけ）

水原秋櫻子・加藤楸邨・山本健吉：日本大歳時記（講談社、1996）

遠近の灯りそめたる　ビールかな　　　　　　　　　久保田万太郎

ビール館　電車交叉を　踏み鳴らす　　　　　　　　山口誓子

里の子等　庭に見てゐる　麦酒　酌む　　　　　　　富岡風生

逃げし　風船　天井　歩く　ビヤホール　　　　　　右城暮石

ビヤガーデン　照明青き　城望む　　　　　　　　　佐野まもる

ビール酌む　男ごころを　灯に曝し　　　　　　　　三橋鷹女

齢　旺んにて　麦酒瓶　冷えくもる　　　　　　　　榎本冬一郎

かるく　のど　うるほす　ビール　欲しきとき　　　稲畑汀子

ビヤホール　背後に　人の増えきたり　　　　　　　八木林之助

ビアガーデン　ジョッキ　女の手に重き　　　　　　大橋敦子

たよりなき　紙のコップや　ビール　注ぐ　　　　　岸川鼓虫子

反論を　せむや　溢るる　黒ビール　　　　　　　　大石悦子　　ビール

戦争が　ドライビールを　飲んでゐた　　　　　　　松田正徳

ビール腹　昨日や今日の　腹じゃない　　　　　　　原田ほたる

柏木哲夫：癒しのユーモア　いのちの耀きを支えるケア（三輪書店、2001）

缶ビール　振ってから飲む　変な奴

相席を頼まれ　イヤと言った　彼

ビールには　「飲み過ぎ注意」　表示なし　　　　　　　　　　キッコ

ビール注ぐ　病を父に告げるため　　　　　　　　　　相子知恵　俳句2012.4　p255

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