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仲畑貴志編：万能川柳デラックス１０００ （毎日新聞社、2005）
居るわけがないと知りつつ 電話する 佐藤千帆
ついに来た 我が子 携帯 ねだる時 夢来ママ
留守電に 敬語がまざる 旅行の 娘 野口五郎
「女性から」大声で娘が呼ぶ 電話 大沼章
底底の くらし してると 子のメール 団塊人
無言TEL 鼻息だけで 孫と知る よこさん
TELで済む仕事に 出張３日掛け 唯の人
携帯に負けず うるさい 車内アナ 佐久骨咲
ケイタイが 街ゆく人を うつむかせ 伊藤進
仲畑貴志編：万能川柳名作濃縮版 上・下 （毎日新聞社、2000）
今見てる テレビも話題に 長電話 アサ子
機器故障 入ったままの 裏ビデオ 裕行
ダイヤルをしつつ 不在を願ってる 啓子
親出れば 間違いでしたと 切る電話 政親
紛失の 携帯電話 話し中 守英
一分の 沈黙に負け 受話器置く ふちゅう亭
間違いの 電話かかると 娘は出かけ 無彩
暇なのに 用件のみの 実父のＴＥＬ 晴子
２５時 まだ留守電の 君の部屋 正
私から 連絡しなけりゃ 終る仲 桃次郎
あの娘のは 指が知ってる プッシュホン 正男
電話とり アラと 彼女は向きを変え 信義
受話器から ハローが たらい回しされ 成夫
寝転んで 寄付を お願いする電話 芙美子
電話番 役目以上に 話し込む 一宏
名月が歪み テレビの調子 知る 尚嘉
おねだりの 孫の電話に 陰の声 康則
ママが風呂入ると 電話かける パパ 良水
二度 鳴って切れた 電話は娘から 百合子
留守電に 溜息一つ 入れた人 美智子
「無事着いた」 ただそれだけの 電話待つ 美智恵
ファックスで もう辞めますと 新社員 ヒロシ
三人で撮って 切り抜く ツーショット 佳則
ここだけの話を テレビで なぜいうの 政美
被害者をさらに 裸に剥ぐ テレビ 巧
ギャラもらい タレント テレビで遊んでる 賢一
山藤章二：ぼけせん川柳 喜怒哀ら句（講談社、2009）
ヒマ人が 車に乗ると電話する 小川勝己
真夜中の電話 パンティの色 訊かれ 末永キミ子
あの世から 電話がかかる 時代くる 内田政春
１１０番なのに 入った キャッチホン 東海林雄一
「では次です」 ニュースのページ めくられる 伊藤弘子
携帯に 恥の文化が 拉致される 竹中正幸 出会い系
銭 借りて 遊べ遊べと コマーシャル 星野次夫
メールしてない学生が 純に見え 福尾圭司
神田忙人：朝日せんりゅう１２５０選 （朝日新聞社、1992）
長電話 笑いながら 耳をかえ 須賀和子
モシモシがまじる 電話の喧嘩かな 山崎皓二
電話では 気付かなかった 母の老い 岩堀洋子
長電話したくて 夫が邪魔になり 河野礼子
娘の電話 本音で 婚家 留守と知り 諏訪八枝子
時代劇 みんな きれいに 髪を結い 小林節子
丸見えの 尾行 つとまる 捕物帳 佐藤波夫
死なないよ 主役だからと 孫 見抜く 岩田好正
日本中 おしん 見ている 気味悪さ 三辺喜和子
尾藤三柳選著：男と女の辛口川柳 （同文書院、1995）
旅先の妻から 起床の電話ベル 薫
サヨナラをしてから続く 長電話 惇夫
告白も 離別も 電話ばかりなり 正
ときめきを 少し感じる 電話口 図美絵 期待してる？
相手にも 暇があるのか 長電話 一進
電話の咳 風邪の咳ではないらしい 広助 大根役者
長電話 終わって 次の 長電話 義夫
娘が二人 電話を代わるがわる 占め 恵一
遠距離の電話は 実家より かける 久子
ダイヤルの向こうに 母がいる 安堵 政子
ＴＢＳラジオ編：そこで一句 川柳 （毎日新聞社、1999）世紀末の今だから、時代は川柳
バカ娘 賀状出さずに 長電話 稲葉かつえ
振り袖が 赤毛 ケイタイ 煙草吸い 野崎禮子
跡継ぎは 田んぼに出前 携帯で 佐藤弘志
賽銭に 名前と電話 書いて投げ 善家正子 賽銭＝さいせん
もしもしと 後ろで呼ばれ 携帯か 小沼弘
浜日傘 携帯電話 鳴りつづけ 野村黙鍬子 俳句2011.12 p261
身に入むや 入れ歯 補聴器 老眼鏡 後藤光美 俳句2011.12 p261
携帯を持たぬ偏屈 ふぐと汁 高橋進 2012.4 p270
恋、愛、死など、いろいろな単語の俳句・川柳を、Google サイト内検索してみましょう。
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