蓮　はす　ハス　蓮の実　花　俳句・川柳　　

霞ヶ浦を取り囲む阿見町では、蓮の栽培が盛んだ。

蓮　はす　ハス　敗荷　やれはす　破蓮　（スイレン科）

飯田龍太監修：旅の季寄せ　秋（日本交通公社、昭和61年）70

破蓮の香　西や　風の　ひびきそめ　　　　　　　　　　　水原秋桜子　

蓮　破る　雨に　力の　加はりて　　　　　　　　　　　　阿波野青畝　

敗荷の　搏（ウ）ち合ふ　風の　逃げ場なし　　　　　　　河野南畦

蓮世界　翠の不二の　沈むらく　　　　　　　　　　　　　素堂　　　　　　翠＝みどり　不二＝ふじ

ほのぼのと　舟　押し出すや　蓮の中　　　　　　　　　　漱石

蓮　剪って　畳の上に　横倒し　　　　　　　　　　　　　鬼城　　　　　　剪って＝きって

白う咲きて　昨日けふなき　蓮かな　　　　　　　　　　　水巴　　　　　　蓮＝はちす

ゆるやかに　ひるがへりつぐ　蓮かな　　　　　　　　　　烏頭子　うとうし

白はちす　夕べは　鷺となりぬべし　　　　　　　　　　　達治　　　　　　鷺＝さぎ

復本：俳句の魚菜図鑑　（柏書房、2006）68

泥ともに　掘出されたる　蓮根かな　　　　　　　　　　　正岡子規

泥水の流れこみつつ　蓮根　掘る　　　　　　　　　　　　高浜虚子

蓮堀の美事な蓮を　ひき出しぬ　　　　　　　　　　　　　村上鬼城

顔上げて　からかはれをり　蓮根掘　　　　　　　　　　　高野素十

蓮掘りが　手もて　おのれの脚を抜く　　　　　　　　　　西東三鬼

蓮堀の　昨日は　をりし　この辺り　　　　　　　　　　　清崎敏郎

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奥田白虎編：川柳歳時記（創元社、昭和58年）637

蓮の実の　泥に落ちたる　安らぎよ　　　　　　　　　　　安田将幸

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