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仲畑貴志編：万能川柳デラックス１０００ （毎日新聞社、2005）
血圧は 待ってるうちに 測りたい 田村光俊
ごきぶりが がんに効いたら 飲むやろか 輝己
「ただの」とも「万病の」ともいえる 風邪 布施幸子
この年で 胸 キュンしたら 心臓病 ミッチャン
ひどいもん 風邪と花粉と更年期 陽子ちゃん
つまずいた理由は 足かな 頭かな かたおもい
日記帳 金と体の ことばかり 中島笑子
60で 歯の磨き方 直される 古利根次郎
キミ二男？不意に聞かれて 痔なんです アマ蛙
妻の出す薬 迷わず飲む 夫 栞
治ったら 豪遊だよと 逝った 夫 猿橋秀一
しりとりで 「ようつう」と言う ばあちゃん子 坂口ちろる
薄味に なじんだころに 退院す しょういち
病人のような センセに 診てもらい われも紅
一本も歯のない口で 言い負けぬ 三瀬史朗
10万の 入れ歯 見せたく 母 笑う ユーラップ
院長が亡くなり 患者 しゅんとする 風車
看護師が名前聞くので おれもきく 荒川久
この治療 あなた 受けるか 医者に聞く みの虫
誓約書 書くのは なぜか 患者だけ 利志坊
人生が 決るはずない ABO 無感情
待ち時間 医院の雑誌 古すぎる 灘谷睦子
元気者だけしかやれぬ 健康法 上村南魚
自分より 人が気にする 顔のキズ もりもりも
病院の 駐車料金には 疑問 半熟たまご
何を記念するのか 記念クリニック 金木犀
いつか死ぬ 気づいた時が 50歳 椋京子
なぜだろう 臓器一つと二つのと ジラム
心配と笑いが交差する 鼻血 捨石こすみ
効き目には 個人差あると 小さな字 遊草
これ以上 悪くならぬという 安定 進藤一宏
前立腺 すっかり 誤解してました 藤田哲夫
仲畑貴志編：万能川柳名作濃縮版 上・下 （毎日新聞社、2000）
病院で 「いつものうあつ」と 薬待つ 本本
三時間 待てる元気が出来 通院 節子
病院で ハワイ行くほど 待たされる 寂光
長寿より 無病を祈る 初詣で みさえ
祖母ちゃんが カードと呼ぶは 診察券 一
友達ができて 退院渋る 孫 元司
うつるほど 一緒にいない妻の 風邪 美佐子
薬局は 祖母のにおいと 息子言う 俊江
退院は困るよ 帰る家がない 暁夢児
闘病の 二人仲良し 喜寿と十歳 をか志
病院を 三ヶ所回るほど 元気 誠一
ただならぬ事 さりげなく 医師が言う 宏
一言で 医者は 裸にしてしまい 廣平
体力がないと 入院断られ 久六
無医村が残り 獣医のはやる国 正久
元気です まだ病院に通えます 鈍行
きく筈のない薬だが 良く眠り みつ
病院を また変えてみる 更年期 正子
じいちゃんの寝顔に ハンカチ誰 掛けた 百合子
皮肉にも 父に当った ドライヤー 善二
妻ついに １５号ある店 見つけ 国男
結局は 服ぶらさがり 健康機 衣代
あの人の健康法は 無神経 英子
スリッパの数ほど 患者来ぬ 医院 徹郎
起きなさい 睡眠薬の時間です 文隆
ほんとかな 座薬を座って 飲んだって 三十尾維大
この中で効いているのは どの薬 こっき
改築のせいで 検査が増えた 医者 裸の大将
医者自身 臓器提供するのかな 芳明
薬より 子犬が治療（ナオ）した 軽いウツ 富貴代
薬より カラオケ勧める 医者もいる 清四郎
診察券無いのは 婦人科だけとなり ただし
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加藤翠谷：わかる 課題別 川柳教室 （葉文館出版、1998）
飲み食いの 過ぎて医者から 大目玉 こずえ
結局は 暴飲暴食 叱る医者 添削
何病と問われ 医者のひと呼吸 正雄
医師 若し 結論からを先に言う 添削
病床の 涙と笑顔 医者まかせ 正雄
病床の涙も 回診 見て帰り 添削
親切な医者で 薬を出し惜しむ 千里
この頑固 なおす薬が ほしい医者 しんじ
最後まで騙す 善意もある カルテ 貞女
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