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“あっさり 死んじめー! あっさり 死んじめー!“
昔の江戸では、こんな声が朝早くからしていたそうです。
真偽のほどは定かではありません。私、まだ生まれておりませんでした。
今の浅蜊・蜆はどうしているかな?
殻付きで潮汁や酒蒸し、むき身は“ぬた”や炊き込みご飯。
復本:俳句の魚菜図鑑 (柏書房、2006)22
あさり貝 むかしの剣 うらさびぬ 其角
陽炎に ぱっかり口を 浅蜊哉 一茶
浅蜊 剥くことして 日々を疑はず 遠藤梧逸
浅蜊 ほる 母とほし 白帆 母の背に 秋元上死男
松籟を ききもやひゐる 浅蜊舟 大野林火
浅蜊舟 かへる水脈(ミヲ)ひく みをつくし 石原八束
漂泊も 隠栖もゆめ 浅蜊喰ふ 藤田湘子
殻が身を刺す 砕かれし あさりかな 平井照敏
昔ここ 六浦(ムツラ)とよばれ 汐干狩 高浜虚子
葦の間の 泥ながるるよ 汐干潟 飯田蛇笏
なつかしや 汐干もどりの 月あかり 久保田万太郎
潮干狩 夫人 はだしになりたまふ 日野草城
汐干潟 望んでかくる 襷(タスキ)はな 皆吉爽雨
奥田白虎編:川柳歳時記(創元社、昭和58年)
股座から 挨拶をする 潮干狩り 丘喜与志
潮干狩り 春の息吹に はしゃぐ子ら 藤原静香
大潮に 貝が驚く 人の数 藤田智草
盗られてもよい下駄を脱ぐ 潮干狩り 織部天星
また ボウズ 言い訳をする 潮干狩り 友田正満
太陽を肌に吸う日の 潮干狩り 佐藤真砂延
潮干狩り 見知らぬ人と 鉢合わせ 雨堤しずゑ
潮干狩り からかうように 波が寄せ 林青亭
むつごろう 住めば都と 泥干潟 渕上草馬
潮ひいて テトラポッドが 甲羅干す 重谷峰月
潮干狩り 富士に向って 掘り進む 松田壮之助
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仲畑貴志編:万能川柳デラックス1000 (毎日新聞社、2005)
あさり アサリ
二三日 あさりを置くと 情がわく 分水嶺
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