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蟹 かに カニ 俳句・川柳 図鑑
夏の季語である”かに 蟹”は、淡水産の小型のカニ、サワガニやモクズガニを指す。したがって、ズワイガニなどの海水産のカニを、ここに表示するのはおかしいのであるが、食べ応えの点からは、海水産のカニであるので、あえてここに載せた。
40年以上前、宇都宮市徳次郎（トクジラ）の近くの山の沢で、沢蟹を何度か捕まえた。乳茸もけっこう採れた。質の良いものはなかったが、瑪瑙や玉髄も採れる良いとこだったが、今はどうなっているだろう？
上述のように、俳句で“かに 蟹”と言ったら、原則的には、沢蟹など淡水産のカニを言うようだ。沢蟹は小さいので、唐揚げにするのがよさそうだ。
蟹 かに 小蟹 沢蟹 隠蟹 カニ サワガニ （サワガニ科） ワタリガニ モクズガニ
復本：俳句の魚菜図鑑 （柏書房、2006）101
和名： サワガニ （サワガニ科） モクズガニ（イワガニ科）
さざれ蟹 足 はひのぼる 清水哉 芭蕉
紺青の 蟹の さみしき泉かな 阿波野青畝
ゆく船へ 蟹は かひなき手をあぐる 富沢赤黄男
われ立つと断崖の 蟹 海へくだる 野見山朱鳥
陸前のとある岩間の みなし 蟹 佐藤鬼房
人は たしかに 沢蟹の清流をかへり 金子皆子
蟹の脚の毛に 雪ふりぬ 一二片 加藤楸邨
蟹 かに カニ 小蟹 沢蟹 隠蟹 赤手蟹 磯蟹 弁慶蟹 蟹の子 蟹の穴 蟹の泡 ワタリガニ モクズガニ
水原秋櫻子・加藤楸邨・山本健吉：日本大歳時記（講談社、1996）681
夕雨や をかに 出揃ふ 蟹の穴 暁台
親蟹の 子蟹 誘うて 穴に入る 高浜虚子
蟹 群るる 古溝 海に出てをはる 森川暁水
蟹の来るところに 斧を置く厨 山口誓子
紺青の 蟹の さみしき 泉かな 阿波野青畝
沢蟹の あらがふことを 愛しとす 富安風生
妻のみ恋し 赤き蟹など 嘆かめや 中村草田男
蟹が眼を立てて集まる 雷の下 西東三鬼
山蟹の さばしる 赤さ 見たりけり 加藤楸邨
川蟹の踏まれて赤し 雷さかる 角川源義
蟹 飼ひし 音にもさとき 身の弱り 能村登四郎
子に ゑがきやる 青き蟹 赤き蟹 福永耕二
その泡のなかに 眼 うごき もくづ蟹 阿万円嶺
沢蟹の水を はなるる 爽気見ゆ 松村蒼石
原爆 許すまじ 蟹 かつかつと 瓦礫 あゆむ 金子兜太
藻屑蟹 怒れる泡を 吹きかぶり 村上杏史
がざみ ガザミ がざめ 渡蟹 わたりがに ワタリガニ 蟹 かに カニ
水原秋櫻子・加藤楸邨・山本健吉：日本大歳時記（講談社、1996）681
岩伝ふ 水上走り がざめの子 松瀬青々
奥田白虎編：川柳歳時記（創元社、昭和58年）408
蟹 かに カニ 川蟹
月の鼻 欠けて砂やま 蟹の旅 佐々木あつ子
さざ波の いけず 子蟹をもて遊ぶ 和田たかみ
人間不信 身構えて待つ 蟹の怒気 桂ひろし
一直線に 蟹は 歩いているつもり 酒井路也
泡たてる 蟹の 不平を聞いてやる 堀江としを
お見事と 蟹も 万歳してくれる 伊藤純一
かるがると 蟹 太陽を差し上げる 小砂白汀
逃げ惑う 小蟹 必死にかざす武器 節乃竹楼
柏木哲夫：癒しのユーモア いのちの耀きを支えるケア（三輪書店、2001）
カニ料理 多弁な客を 無口にし
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