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生きもの 犬 いぬ イヌ 俳句・川柳
犬 いぬ イヌ
時実新子：川柳 新子座 （朝日新聞社、1990）38-57
ユキという犬に いつかは逢えそうな
東京へ行けばと 犬も考える 土佐 和
犬の目に ハタと 反省してしまう 森田せつ子
おとなになっちまった 捨て犬と あいつ 阿住洋子
隅々を 四角に掃いて 犬嫌い 生越昭雄
疑いを持たない犬で 恐くなる 竹田墨史
もう 俺は 尻尾をふらぬ 犬である 森脇陽州
盲導犬のやさしさ 歩幅合っている 中野文擴
魂も 犬も いっしょに 飼い殺し 鈴木春美
わが子より 可愛いと思う 老い 太刀川忠良
空ばかり見ている 犬を譲られる 神野多根
犬 いぬ イヌ
夏石番矢：現代 俳句 キーワード 辞典 （立風書房、1990)
荒園の ましろき犬に 見つめられ 西東三鬼
曳かるる犬 うれしくて うれしくて 道の秋 富安風生
枯蓮の水を 犬 飲む おびえつつ 高浜虚子
炎天の犬や 人なき方へ行く 山口誓子
満月に 犬がきて 尾を遊ばしめ 加藤楸邨
夏ゆくと 犬 すさまじく 咬み合へり 富沢赤黄男
栗の花 われを見抜きし 犬ほゆる 西東三鬼
蓼 嗅いで 犬 いつ失せし 水辺かな 原石鼎
膝くぐる犬からも わが泪おつ 安井浩司 泪＝涙
犬二匹 まひるの夢殿 見せあえり 安井浩司
赤き犬 ゆきたる夏の日の怖れ 渡辺白泉
水底より明けて 峠の犬も死んだ 沢 好摩
奥海なれや 波を噛んでは 躍る犬 安井浩司
一本杉や 大地の四隅に 犬が居る 安井浩司
黥ハ 犬ト犬トノ 和解ヲ記念ス 夏石番矢 黥＝いれずみ
ずぶぬれて 犬ころ 住宅顕信
青白き犬の 芸あり 濡れてあり 橋本七尾子
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http://haikusenryu.yomibitoshirazu.com/
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