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そば 蕎麦 俳句 その5

 

 

一茶・子規の時代

 

“蕎麦うどん名著選集 第六巻 渡辺一雄著 蕎麦の俳句”に取り上げられている“そば・蕎麦”の俳句を集めました。解説を読みたい方は原著作をどうぞ。ただし、現在品切れです。(絶版か?)

ここでは一茶や子規の時代の俳句を紹介する。

 

渡辺一雄:蕎麦の俳句 (東京書房社、昭和56年)

一茶の時代

痩せ山に はつか咲けり 蕎麦の花

相応に はまちの 蕎麦も 咲きにけり

蕎麦切の 寝覚の里に 年寄て

赤椀に 竜も出そうな 蕎麦湯哉

そりゃ 寝鐘 そりゃ 蕎麦湯ぞよ 蕎麦湯ぞよ

徳本の腹をこやせよ 蕎麦の花

更科も更に及ばぬ 蕎麦の花

蕎麦国の たんを切りつつ 月見哉

一袋 蕎麦も添けり 駒迎え

江戸店や 初蕎麦がきに 袴客

陽炎や そば屋が前の 箸の山

山畑や 蕎麦の白さも ぞっとする

 

無賃でおくる 駄荷の秋風

名物の そばきり すする月明り

 

あまった 蕎麦を やみとかき込

先供の高股立に 夜が 明て

 

仏の灯にて ばくち始まる

降りは雨 蕎麦とりに行ク鬮(クジ)出して

 

傍杭に 忖名なども なぐり捨

扐(?)も奇妙な 蕎麦の看板

 

不細工な 蕎麦すすり込む 立ながら

芭蕉忌や 客が振廻ふ 夜蕎麦切り

 

評判の 蕎麦屋が 花の盛にて

水菜もはける 陽炎も立つ

 

小手早くまづ 新蕎麦をかつ込て

この骨柳ひとつ頼む 跡駕籠

 

新蕎麦の かけ札早し 呼子鳥

新蕎麦や 一とふね 秋の湊入り

秋に先仕たり 新蕎麦 新豆腐

 

 

新蕎麦や 山ともりたる 信濃流

名月やひとり嘯く 蕎麦嫌ひ

秋もちと 夕暮おそし 蕎麦の花

しんそばや 客に亭主の 強いらるる

達磨忌や 匂ひに悟る 蕎麦の膳

 

散る花の世や 蕎麦切を 喰仕まふ

月かげに 二階の軒をつきあけて

そばの 匂ひの むせるしたづみ

 

啌ついた 月夜もちかく 蕎麦の花

ひやひやとして 川舟を見る

蕎麦切の 寝覚の里に 年寄て

丸くなくとも 八日の月

 

笊蕎麦に 白箸たらぬ 夜寒哉

 

しら露の 玉にもぬける 襴(ヒトエ)して

ゆかりの いろの見ゆる 蕎麦きり

 

  音信山

目の前の秋や 栗の葉 蕎麦の茎

 

盛ならべたる数の そば切

門前へ 雨の乗物 舁おろし

 

秋風が 蓑毛のやうに 吹にけり

練馬人間の 蕎麦の最中

 

柴の戸や 蕎麦 盗まれて哥をよむ

そば切や 打て 腹だに入らねば

 

  上毛吾妻郡を経て

更科を 隣に白し そばの花

梵論梵論に逢ふたばかりや 蕎麦の花

 

子規の時代

藪蕎麦に 菊の膾は なかりけり

山越へて 三島に近し 蕎麦の花

煙草干す家も見えけり 蕎麦の花

蕎麦 植えて人の住みける 藪の中

蕎麦白く 柿の紅葉に 夕栄す

墓原のつづきや 寺の 蕎麦畑

  冬の東京 麻布

蕎麦屋 出て永坂上る 寒さかな

  中山の 蕎麦や にて

新酒酌む 中山寺の僧どもか

宿替の 蕎麦を貰ふや 冬籠り

  須磨

立ち出でて 蕎麦屋の門の 朧月

  同じ須磨にて

蕎麦はあれど 夜寒の うどん きこしめせ

 

北風に 鍋焼饂飩 呼びかけたり

 

桜焚いて 新蕎麦の玉を 炊くかな

新蕎麦に 酒酌むほどの 月細し

 

冷麦や 縁に主客の 丸はだか

 

人並に 蕎麦三杯や 秋の風

海近き 空の広さや 蕎麦の月

高原や 粟の不作に 蕎麦の出来

蕎麦 干して居て しぐるるを知らぬげに

門前の夜寒の 蕎麦屋 遊行寺

 

椿山 蕎麦白き中に 添水かな

夏蕎麦の 花白う 麻のそよぎ哉

新蕎麦や 主の詩集 把栗寺

目の前に 蕎麦白き夜の 砧かな

飛騨山に 蕎麦の白さや 漆掻

初瀬に来て 法師なつかしき 蕎麦の花

蕎麦の花 月村という俳人あり

淋しさも不時の帰省や 蕎麦の花

杉谷の道あるかたや 蕎麦の花

二本松城の跡かや 蕎麦の花

蕎麦白き 道すがらなり観音寺

本降りになるや 首途の 蕎麦白き

蕎麦白き方に 次ぎゆく 馬見ゆる

蕎麦畑の 里の出岩や 樟の立つ

刈田 隈隈 蕎麦咲くや 土佐は兼山祠

蕎麦さくや 秋蚕に切りし 桑一畝

風炉の湯のたぎり残りに 蕎麦湯哉

  俳三昧雑詠

作り終て やれやれという 蕎麦湯かな

蕎麦湯する うしろの首は 鼠かな

 

  十框庵即事

新蕎麦に 句に酒に論に 責めらるる

論争の余焰をさます 蕎麦湯かな

飯屋ある里なれば 新蕎麦もあらん

新蕎麦や 殖林の山中の酒

新蕎麦や 南部素郷と 出羽五明

新蕎麦や 碁笥なき盤も 横はる

蕎麦打つや 月彷彿と 靄の中

 

貧しさは ボノ凹寒き 蕎麦湯かな

一茶経に 蕎麦湯飲むな 酒喰へ

こぼさずと 一啜り 椀の そばゆかな

用もなく 興もなき夜の 蕎麦湯かな

餅にすは 足らずで 湯にす 蕎麦粉哉

句渋りの 蕎麦湯の 腹の膨れけり

我ののは 堅く出来たる 蕎麦湯かな

吐き尽くす 我句の腹に 蕎麦湯かな

濡れ爪籠 榾火に干して 蕎麦湯かな

 

新蕎麦に 何の客ある 小家かな

花蕎麦に 晴れて 梨棚 霧かかる

風呂吹きを食へば 蕎麦湯をすすめ鳧(ケリ)

蕎麦の花 百舌鳥落としたる 畑かな

新蕎麦や 酋長到る 小部落

麺棒はあれど 新蕎麦なかりける

 

新蕎麦や 附たり酒に 雁鳴いて

蕎麦餅の 金柑焼や 露の朝

 

玉の緒よ 年越し 蕎麦の 長かれと

  人事多忙

行く年よ 我未だ 蕎麦も喰ひ了へず

 

花蕎麦に 人恙なく 帰村かな

新蕎麦に 芭蕉の噂 したりけり

蕎麦湯 吹く顔も賢愚や 台所

 

木葉散るや 掃へども 水灑げども

目の上に 蕎麦畑白し 津軽坂

 

そばの花 路は淋しき 星明り

そば畑に 山の陽(オモ)テの落葉かな

そば 白し 晩帰の農夫二三人

 

霜草蒼々 虫切々                  白楽天

村南村北 行人絶ゆ

独り門を出で 野田を望めば

月明 蕎麦花 雪の如し

 

裾山の 蕎麦の白さも 花野かな

新そばや 老健かに 親二人

新蕎麦の 箸より太き めでたさよ

新そばや 後の月さへ 旅の宿

村長に再び推され 走りそば

建主に落す無尽や 走りそば

 

坂本や 蕎麦にあく日の 新豆腐

菊畑不作の 蕎麦に隣りけり

 

新蕎麦や 峩山和尚は 酒家の子

新蕎麦や 誘い合して 下河原

 

山畑の電信線や 蕎麦の花

痩寺や 十歩の庭の 蕎麦の花

開墾地 三町ばかり 蕎麦の花

奥山のくぼみに白し 蕎麦の花

蕎麦白し 片側杉の朝月夜

目の上に 蕎麦畑白し 津軽坂

そば刈りて 阿倍野に将軍の墓 孤なり

 

北風に 鍋焼温飩 呼びかけたり

 

端山越す兎見ゆるや 蕎麦の花

畑番に狐ちょろつく 蕎麦の花

元村に残る家居や 蕎麦の花

柿の木は家の名残よ 蕎麦の花

松の中の三畝の畠 蕎麦白し

 

大方は薄の野なり 蕎麦の花

蕎麦刈るや 百舌鳥高鳴きす 忘れ時

蕎麦刈れば 野菊淋しく枯れにけり

 

蕎麦も 色紙の色や 星祭

 

 

蕎麦咲いて 飛ぶ鶺鴒(セキレイ)や 避暑の宿

新蕎麦に 月を延べたる 子規忌かな

温泉の客の皆 新蕎麦の 天下かな

人買いの 蕎麦白き 里を落ちにけり

住むよしを寺へ願書や 蕎麦の花

祭酒あとなき今日や 蕎麦の花

蕎麦の餅の 石の如きを焼く 榾火

 

傘に 藪蕎麦とあり 春の雨

蝿飛べる 須磨の 蕎麦屋の 框かな

仁和寺を出づれば月の 蕎麦畑

新蕎麦を 湯にす 餅にす 夜長哉

椿山 蕎麦白き中に 添水かな

隠れ住む 大原公卿や 蕎麦の花

坊近き 木の間に白し 蕎麦の花

栗飯を知らぬ新井や 蕎麦の花

花蕎麦の 白きも暮れぬ 狐啼く

蕎麦の花 山の名所の 淋しけれ

糸萩の小道は尽きて 蕎麦の花

山畑や星は明るき 蕎麦の花

煙らせて物たく家や 蕎麦の花

すりおろす 柚子の青きを 手打蕎麦

来てみれば 只雑談の そばゆ かな

懐炉入れて時立つ腹に そばゆ 哉

句に寒き 腹あたたむる そば湯 哉

もの足らぬ心地嬉しき そばゆ かな

酒やめて酒おもふとき そばゆ かな

僧房の鼎を据えて 蕎麦湯かな

たぎる湯や 燭して 蕎麦粉探しけり

時頼が信濃の旅の 蕎麦湯かな

猪狩りの戻りを待って 蕎麦湯かな

本草の著作夜な夜な 蕎麦湯かな

玉の緒よ 年越蕎麦の長かれと

 

諸手して もたる 蕎麦湯の茶碗哉

新蕎麦の 宿葺きをりて 煤降りぬ

茸山続き 飛び松を家並 蕎麦白き

霜に糧をあさる国日の東より

いかに生きよといふにや 冬日晴るるのみ

 

 

蕎麦刈て 白菊見ゆれ人の垣

蕎麦刈って 阿倍野に将軍の墓孤なり

蕎麦を刈り 麦蒔く道の右左

汽車道の広告札や 蕎麦の花

 

郷土史も 新蕎麦と馬と俳諧寺

甲斐源氏皆 新蕎麦の莚かな

手触るれば 蕎麦は黒実のほつほつと

こぞりて秋の刈りしはならし

蕎麦刈ると 露けき畑に 屈まりぬ

この一隈を浸す 安らぎ

 

 

鬼灯を摘みとりて 蕎麦白き方に出づ

蕎麦 国のことし作りて 瓜の味

葡萄産す島となく 蕎麦の山平ら

豆を干す 蕎麦を干す 赤子よろよろと

 

霧泳ぐ 鳥洪水跡 蕎麦の月夜なる

蕎麦刈れば 小さき菊の淋しさよ

寒村や 蕎麦の花咲く 痩せ畑

蕎麦の花 二升年貢の河原かな

嫁を取る麓の家や 蕎麦の花

蕎麦の花 野良猫 鶏をねらいけり

虫一つ蝶にもならで 蕎麦の花

手負雉子 落つる山手や 蕎麦の花

麦寸に満たざるを 蕎麦の花盛り

国を出でて 蕎麦売り 馴れぬ寒さかな

献上 蕎麦 臼唄に 山を眠らせて

暗燈に 蕎麦湯の湯気の 見ゆるなり

 

柴の戸や 蕎麦ぬすまれて 歌をよむ               史邦=ふみくに

 ぬのこ着習ふ 風の夕ぐれ                     凡兆

 

ぬす人は長袴をや着たるらむ そばをとりてぞ 走り去りぬる 古今著聞集

 

 会津 そば 口上

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そば・うどんの俳句・川柳を、Google サイト内検索してみましょう。

http://haikusenryu.yomibitoshirazu.com/

 

 

 

そば・うどんについて、Googleサイト内検索をしてみましょう。

http://www1.ocn.ne.jp/~amiyacon/

http://amiyacon.web.fc2.com/

 

 

 

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